姉妹
天気:曇り
湿度:50%
気温:14度
折り畳み傘があると安心
「あんまりすっきりした天気じゃないけど雨降るかな?」
お世辞にも快晴とは言えない日に不釣り合いなほど爽やかすぎるお天気おねえさんの天気予報を横目で見ながらとりあえず美紅は折り畳み傘をカバンに詰め込んだ
「万一のために、ね」
「いってきます」
返ってくる声はないけれどなんとなく声に出してしまって余計に寂しくなる
今更期待なんてこれっぽっちもしていないけれど
むしろここまで徹底的に自分の存在を無視できる祖母の態度にはなかなか感心するべきではないだろうか
あ、忘れてた
「今日は学校の後、おじいちゃんのお見舞いに行きます」
こう言っておけば病室で鉢合わせしなくて済むだろう
返事はしなくとも聞こえてはいるはずだから