姉妹
「知らない人だからこそ、信じたんだよ」
え、いつのまに…
美紅の後ろにいて美紅の肩をぽんぽんとはたいてくる軽い雰囲気の男子生徒
「和也君…?どういうこと?」
「そのままさ。俺たちは美紅を知らない。同様に絵梨花のことも知らない」
「うん」
「だから自分が見たことしか信じないのさ」
和也はいつもの軽い調子を崩さずに言った
「知り合いもいない。何も知らない。人に対して先入観がない手探りの状況だからこそ、自分が見たものしか信じないんだよ」
和也は笑顔を美紅に向けた
「その結果、あんたを信じた。これは当然の対応だよ」