姉妹
美紅は純粋に驚いた
「私を信じてくれたの…?」
「だからさっきから言ってんじゃん。というより、この状況見たら美紅ちゃん以外信じないと思うけどね?」
-そうなのね
美紅は思った
この人たちは私自身を見てくれる
噂とか、イメージとか、そんなんじゃなくて
私の行動を見て、言葉を聞いて私という人間を評価するのね
私を水原美紅という一人の人間として接してくれているのね
双子のおまけの妹でも
悪魔でもなく
私、という人格自体を
美紅は最大限の感謝をこめていった
「みんな、ありがとう」
「ありがとうというか、普通なんだけど…」
クラスメイトは個々不思議に思っていたけれど
美紅にとっては普通ではなかった
本当にありがたいと思った
だから口にした
それだけのことだった