姉妹
「部外者……」
「今身の回りで起きていることに対して部外者でいることが俺は一番嫌なんだ」
人間模様からの部外者
都合のいい楽な立場だと思っていたけれど
きっとそれはどうしようもなく“孤独”なのだ
美紅は改めて善蔵は強いと思った
“苦しい現実に自ら飛び込もうとする強さ”
面倒でしかない人間の関わりの中に自らを放り込む強さ
何にもくじけない強さ
そしてその強さに自分は守られ続けてきたのだと
「おじいちゃん、いつまでも心配かけてごめんなさい」
誤っても仕方のないことだとわかっていても美紅は謝らざるを得なかった
しかし美紅にとっては意外なことに善蔵は首を横に振った
「違うよ、美紅」