姉妹


お手洗いに行って気を落ち着かせた後、部屋のドアをぴたりと閉めて改めて封筒を見た




もしかしたら送り主の名前を読み間違えたかもしれない


水原弥子とか、一文字違いの紛らわしい名前の別人かもしれない




確かめてみなければ




これほどまでに何かの間違いであってほしいと善蔵は思ったのだ






「…?」




よくよく封筒を見てみると、善蔵は一つの違和感に気が付いた




予測はしていたが、封筒には住所が書かれていない


これは別にかまわないのだ


ただ一つ、





切手が貼られていない




当然消印もない




「もしや…」




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