姉妹

「どうもありがとう。親切なお嬢さんだ」




「いいえ。あの、どちらに?」





「柿崎さんの家って今あるのかな」





柿崎さんは美月の隣に住んでいる老夫婦のことだった




息子だろうか?年齢的にはあの夫婦の息子といっても差し支えはない





「そこなら私の家の隣です。ご案内します」





すると男性は驚いた風にして美月に尋ねた




「隣ってことは水原さん?」




今度は美月が驚く番だった




「そうですけど…よく御存じですね?」




男性は再び柔和な笑みを戻して



「僕は昔このあたりに住んでいたんだよ」



と答えた


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