姉妹
「そうなんですか…」
「もう何年も離れていたけどね。だからすっかり忘れてしまっていて」
「結構このあたり分かりにくいですものね」
二人は歩きながらポツリポツリと話した
不思議と波長の合う人だ、と美月は思った
男の割には長めでさらさらの黒髪にすらりと背が高く、肩の力が抜けた柔らかい雰囲気の男性だった
「美月ちゃんは高校生?」
「はい。この春入学しました」
「おめでとう。僕もこの高校出身なんだ」
「そうなんですか?なんだか親近感を感じます」
「僕もだよ。高校はいいものだよ」
まるで昔を思い出しているかのように男性は目を細めてまっすぐ前を見つめた