姉妹

「ちょっと待ってろよー探してくるからさ」



にかっと笑うその顔が好きだったけど、私のものにならないのなら見たくなんかないのよ



「ううん、迷惑はかけられないわ。大丈夫だから」



早くこの場を出たい



「本当に?遠慮しなくていいんだぞ」



その心づかいがつらいというのに



思わず少しうつむくと、美紅が心配そうに覗き込んできた



「姉さま大丈夫?顔色が悪いわ」


いやだいやだいやだ


あなたに心配されることが何より一番耐えられない



「姉さま、保健室に行った方が」「なんなら俺運ぶよ?」


いやだいやだいやだいやだいやだ


二人してそんな目で、哀れがる目で、可哀想な目で私をみないで!


< 277 / 327 >

この作品をシェア

pagetop