姉妹
「晴樹は美紅の彼氏で、あの子にとってずっと待ち望んでいた救世主。彼に会うために今まで15年もつらい思いをしたというのなら、くっついてしかるべきなのよ」
美月は空を仰いだ
泣いているのだろうか?
それでも流すのはさっきまでとは違う涙だろう
普通の女の子が流す、恋する涙だ
「なら美月ちゃんのことは誰が救うの?」
「私の、事?」
「美月ちゃんだって救われるべきだよ。晴樹と出会った美紅ちゃんみたいになれるんだよ」
「和也君は優しいのね」
美月は目を細めた
「俺は?俺じゃなれない?」
「私の救世主に?」
「というか、王子様に」
「それはないわ」
美月がぴしゃりと言い放ってから二人は声をあげて笑った