姉妹

状況が可哀想なわけじゃない


“可哀想”な目で見られているときが一番可哀想よ






今日は美紅はイライラさせられることが多かった



第一、さまざまな憐みの目線

第二、和也のだんまり



-これのおかげで私が質問攻めにあっているのよ



「最後に一緒にいたのは俺です。でも何も言えません、すみません」


この一点張りらしい


-あとで聞いてみよう。私にだって教えてくれないかもしれないけれど



しかしこの二つは現時点ではさほど問題ではなかった



第三のイライラ



絵梨花に会えない



美月が出ていく直前に書いたであろう手紙が美紅の机の上に置いてあった


「美紅は仲が悪いからいやかもしれないけど、必ず絵梨花に渡してね」



絵梨花にも聞きたいことはあるし、姉さまの最後かもしれない頼みだと思うと、焦らずにはいられなかった
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