姉妹

姉さまの手紙が気にならなかったかと言えば嘘ではない


絵梨花との関係は正直疑問だったし、どんな思いで彼女と一緒にいたのか


書かれているのは謝罪だろうか?感謝の言葉だろうか?


でも気にするのは野暮だ


姉さまが絵梨花のことをどう思っていようと、手紙にどんな事を書いていようと、姉さまと絵梨花だけが分かっていればいいのだから




手紙には封がされていなかった


私という人間を信頼し、見抜いていたのだろう


私が絶対に見ないという自信があったのだ


まったく姉さまにはかなわない




美紅は一度も振り返らずに中庭を後にした



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