姉妹
「本当に一度も振り返らないなんてね…」
美月ちゃんらしい素敵な封筒に入った手紙を大切に広げた
見覚えのある正確な字だった
「さて、読みますか」
絵梨花は周りに誰もいないことを確認してからゆっくり、一文字一文字かみしめながら読んだ。
「絵梨花へ
突然ごめんなさい・・・」
長くびっしりと3枚にわたって書かれていた
手紙を持つ手が小刻みに震え、落ちる涙が新たに模様を作る
冒頭だけですでに涙が止まらないのに、最後まで読むなんてできない
「ばか。読まなければ意味ないでしょう」
絵梨花は泣いた
悔しくて寂しくて泣き続けた