姉妹
数秒の沈黙が数時間に思えるほどだった
「…認めたくない。美月ちゃんと最後に会話したのがあなただなんて。」
和也は何も言うことができない
むしろ何も言わない方が良いということが分かっていた
「でも、美月ちゃんの選択を尊重する。」
「うん。」
「今だけよ。帰ってきたら、沢山怒鳴り散らして、泣いて、責めてやるわ。」
「ふふっ」
和也は思わず笑ってしまった
「その方が君らしくて良いよ。すんなり受け入れる君なんて、君じゃない。」
絵梨花はキッと和也を睨みつける
その目は怒りや恨みだけでなく、どことなく温かみのあるような、そんな目だった
「うるさいわね!」
「あはは、ごめんごめん。」
「そうじゃないと、帰ってきたときにあの子の理解者だって胸を張って言えないでしょ。」