姉妹
「そうだ、美月、お前は俺の子だ。俺と母さんの子だ。」
「お母さんはどんな人?」
紫雨は少し考えて、それからとびきり優しい顔をした
「すごく美人で、頭も良くて何でも出来て、誰よりも繊細で優しい心の持ち主だよ。」
「美月はお母さんによく似ているよ。外見才能ともに文句なし、その上優しく、心配になるほど繊細な心を持っている。」
紫雨は美月をまじまじと見つめた
「そうかしら。私は何一つ当てはまらないと思うけど…特に、私は優しくないわ。」
美月は少しだけ目を閉じて、これまでのことを少しだけ思い出してみた
「私が本当に優しければしてなかったこともたくさんあったし、できることもあったわ。それに、みんなに何も言わずに別れるなんて、しないと思うの。」
「でも美月は、そうすることを選んだ。そこには美月がちゃんと考えた理由があるんじゃないのか?」
「あるわ。私なりに考えて出した答えよ。でもこれが正しいとは限らない。美紅にも絵梨花にも…何言われても文句は言えないわ。」
美月は少し心が揺らいできていた