姉妹
「それでも、美月が自分で考えたことが大事なんだ。自分に自信を持つことが、今は大事なんだよ。悪いことをしてしまうと思うなら、自分の行動に責任を取るだけの強さがもっと必要になってくるんだ。」
「…そうね。ありがとう。」
「…ははっ。なんか、いきなり出てきて父親面するのも、気が引けるものだね。」
紫雨は気まずそうに苦笑いを浮かべた
「ううん。おかげで、もう揺らがないわ。
早く連れて行って。はじめからわたしをつれていくきだったんでしょ。」
もう美月の目に迷いは見受けられなかった
「全くその通りだ。行こうか。」
「行きましょう。」
紫雨と美月は並んで歩き始めた
空にはすでに夕日はほぼ沈んで、反対側の空に月が上り始めていた
「美月、上をみてごらん。紅い月が出ているよ。美月たちが生まれた日と同じだ。」
「不吉ね。」
「そんなことないさ。今日を期にもう一度“生まれかわる”んだから。むしろ祝福すべきだよ。」
「祝福…」
「そう。新しいスタートに、幸あれ。そう捉えるべきだと俺は思うよ。」
「新しい私を、やってみるわ。」
そうして二人は夜の田舎道に消えていった