姉妹

「…終わった?」



晴樹が心配そうに私を見つめている


これも毎年のことだ


どれだけ彼の存在に支えられているのだろう




「えぇ、終わったわ。ありがとう」


「顔が真っ青だよ。大丈夫?」



ここは空港


私はイタリア出張から帰ってきたばかりで体調も正直すぐれない



「長旅の後だったから疲れちゃったわ。」


そんな私に晴樹が待ってました、とばかりにとびきりの笑顔を見せる


「?」


「今日は帰ったら、美紅の大好きなフランスの白ワインとイタリア産チーズだよ!」



私のお気に入りばかりだ







晴樹は高校の時から飽きずに私とずっと一緒にいてくれている


私のことを理解してくれている


必要不可欠な存在だ




晴樹がいたから、今の私はいる



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