姉妹
姉さまにもそんな人が見つけられているだろうか
私は今、それだけを願っている
高校を卒業したくらいから、両親から本当にたまにだけど、手紙が来るようになった
3年くらい前の手紙によれば、姉さまは両親のもとを離れ、どこかで暮らしているらしい
「多分もう大丈夫だろう、一人でもやっていける」
そう確信したとあるのだから、きっと姉さまはもう大丈夫なのだろう
少しここでほかのみんながどうしているか、わかっている範囲で言っておこうと思う
私の祖父・善蔵は一時はもう命がないか、と思われたが今も相変わらずピンピンしている
散歩も庭いじりも欠かさずやっている
むしろここ最近で一層元気になったようだ
晴樹はというと、会社員としてバリバリ働いている
忙しい今となっても、私を高校のあの日からずっと、変わらずそばにいてくれている
…優しい人
特に大きな喧嘩もなく、安定したお付き合いをしている
晴樹がいなかったら、私は確実に今みたいに働けてはいなかった
今の所まだ結婚の予定はないけれど、晴樹以外の人と一緒になるなんてありえない
晴樹もそう思ってくれているといい
和也はテレビ局に入社したようだ
彼によく似合っていると思う
和也とはいまだに交流がある
これは最近晴樹からちらっと聞いた話なのだが、どうやら私がイタリアに行っている間に、和也と美月は偶然にも丸の内のカフェで遭遇したらしい
少し話をした後、
「これから海外に行くんだ」
と言って忙しそうに去って行ったらしい
それ以来連絡を取っているとか取っていないとか
絵梨花はというと、なんとどこぞの有名な音楽家とお見合い結婚したらしい
絵梨花は永遠にお嬢でい続けるのだろう
現在は2歳になる女の子がいる
早く会いたい
…会わせてもらえるならの話だけど
そんなこんなで、私たちはそれぞれの道を歩み続けていると言える