姉妹
白い壁

白いカーテン

白い机

白い棚

白衣


「ん・・・ここどこ、病院?」


「違うわよー保健室よ」

「先生、私どうなったんですか!って痛っ!」

「駄目よーいきなり体動かしちゃー」


背中と右足に激痛が走った

心なしか後頭部と右腕も痛い

「あの、私階段の上から落ちたと思うんですけど」

「まぁそうでしょうねー」

「救急車とか」
「呼ばないわよそんなのー。出血は最小限に止められたし、捻挫と打撲でしょー?それくらいでそんな物騒なもの呼ばないわよー」


捻挫と打撲と少量であれ出血しているのにこの人はなんとお気楽というか抜けているというか・・・

と悶々としていた時に先生が「余計な」一言を付け足した


「自分で足を滑らせたらしいじゃないー。誰かに突き落とされたならそれなりに問題になるけどー」

「!!」


そうだ、私は「落とされた」のだ

あいつは確かに笑っていた

それを分かってもらえれば

しかし実際に手で突き飛ばしたわけではない

どうすれば・・・



それなら周りから攻めていこう


美紅の「危険」を「噂」にすれば

体中包帯に巻かれた少女はベッドのなかでほくそ笑んだ
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