姉妹
「"戦う"ですって?何かっこつけてるのよ」

絵梨花は嘲笑った


「本当本当、いい気になるのはまだ早いよ」
「少しは反省したらどうなの」

クラスメイトは囃し立てた

しかし、敵方の中心にいながら1番美紅を恐れていたのは他ならぬ絵梨花だった

美紅をやれば美月がくる。美月の人望に勝てる気は悲しいくらい全くしなかった

しかし今回怖いのはまた別だ

絵梨花は体感してしまっている

美紅の"想い"の力を

美紅に復讐したいのはやまやまだが、いじめのあからさまな首謀者になるのはどうしても避けたかった

どうしたらいい?




そうだ


「みんなー、でも美紅ちゃんにあんまり酷いことしないほうがいいよ?」


クラスメイトは揃って頭上に?を浮かべた


「だって美紅ちゃんに嫌われたら、みんな痛い目にあうかもしれないし」


ザワザワッ


やったわ


中学時代特有の不安定な集団力を利用した戦略だった


みんなと違うことはしたくない
でも被害者にはなりたくない


なら、最初から関わらなければいい
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