姉妹
このとき美紅は七歳児にしてはやたら理解が早かった


今理解した、というよりは今まで心の中でなんとなく疼いていたある種の「違和感」と正しく接続した、といった方が正しいのかもしれない


幼いながらも美紅は感じ取っていたのだ




この「違和感」を



自分は普通じゃないということを



自分はなにか悪いものなのだと



それに今まさに「悪魔」という名前を付けられ、はっきりしただけのことだった





本来なら無邪気でいられたはずの少女が若干7つにして自分の存在を認識してしまったのだから



-美紅は幸せになれる人間なのかしら


-あぁ、この問いは間違っている





私にそんなことを思う価値すらない



遠くで祖父母の激しい口論が聞こえたような気がする







「あは、あはははははははははははははっ」



美紅は悲痛な笑い声を出した



祖父母の声ははたと止んだ


異様な静寂が辺りを包み込んだ
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