姉妹

「おじいちゃん、美紅にはあたしだけじゃ足りないの?」

「そんなことはない。だがな美月、味方は多いほうがいいぞ」

「それだったら大丈夫だと思うわよ。今の学校、よさそうな人ばっかりだから」

「あぁ、そうらしいな。だがな美月、お前は気づかなかったかな?」

「何に?」

「美紅が晴樹くんに惚れているということだ」

「そんなの見たら分かるわよ。美紅ったら隠すの下手じゃない」

「まぁな。だがな、それが重要なんだよあの子にとっては」

「え…?」

「美紅が今までに誰かに惚れたことがあったか?」

「そういえば…ないかも…というか正直誰かに惚れるどころか、それどころじゃなかったって言ったほうが正しいかも。まともな友達だって…」

「そうだろ？そもそもお前と俺以外の人間に心を開いたこと自体がなかっただろう?」

「そうね。そうだわ…」

「そんな美紅がやっと自分から心を開ける人間が出来たんだ。これは進歩だよ」



「それとな、もうひとつ」

「なぁに？おじいちゃん」

「お前は賢い子だから気づいていると思うのだが…」


「晴樹くんも美紅に惚れているよ」


「なんとなく感づいてはいたけど…」

「あってまだ日がないのになぁ。ソウルメイトってやつだろうかね?会った瞬間にビビビって言うあれさ。俺とばあさんのようにな!!」

「おじいちゃん、最後のくだり要らないかも」

「まぁまぁ、若い二人の未来を見守っていこうじゃないか」

「私同い年だけどね!!」