花は香り 人は何?
素晴らしい装飾がほどこされた無駄に大きい広間
通称王の間
その一番奥の真ん中の椅子に男はいた
眉間にはしわを寄せながら
それがその男の苦悩を表しているようだ
それを見た側近は心の中でため息をつく
またしわが…
「まだ見つからないのか」
その男は威厳のある声で静かに聞いた
「はい
城の者総出で探しておりますが、いまだに見つかっておりません」
彼の側近はまた心の中でため息をつきながら答えた
こう答えれば王の反応は目に見えている
案の定、王の眉間にはさらにしわがよる