花は香り 人は何?
用事が済んだカトリーナは扉に向かって歩きだす
その後ろ姿にクラウドから声がかかる
「カティ
必ず帰ってこい
必ず17歳までには…
お前はこの国の王となるべき者だ
それに…」
そこで一旦言うのをためらうように言葉が途切れる
その言葉の続きを優しいミリアの声が紡ぎ出す
「あなたは私達の大切な子供なのだから」
カトリーナはほっと心が暖かくなるのを感じた
そして満面の笑みで両親を振り返る
「もちろん帰ってきますよ
そうしないとお父様からお母様を守る人が居なくなってしまいますからね」
その言葉にクラウドはものすごく嫌そうにする
「やっぱり帰って来なくていいぞ
お前がいない方が毎日安心してミリアをいじめられる」
その言葉にカトリーナは挑戦的に笑うと、くるりと後ろを向いて部屋を去る