花は香り 人は何?



「つまんないの」




そう言って、去って行こうとする。



これでやっと頭をあげられるわ。



と思ったのもつかの間、あっ、と言うと足音が突然やんだ。




「そう言えば…




お兄さまがフローラ国から連れてきた侍女とやらは?」




へっ…?




思わずそう言いそうになる。




私とメイナの事よね…



なんでそんな事まで知っているのかしら。




「はい、その2人ならただ今おります。




お呼びいたしましょうか。」




「ええ。



一度見てみたいわ。




お兄さまの選んだ女がどんな面してるのか。」



この子口悪いわね…



王族が使う言葉には到底聞こえないわ。




というかフローラ国では誰も使わない。




「かしこまりました。」




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