くもりぞらにおほしさま
あかりのつけかた
1。


あーあ、東京は星が見えないね


キミはぼそっとつぶやいた。


うーん、たしかにねぇ
向こうはどうだった?


すごかったよ!
やっぱ気温低いとこはちがうな!


子供みたいな目
きらきらして、まぶしい。



あれだな、人はさ。

あかりのつけかた、間違っちゃったな。






その一言が胸に響いて
光が、またひとつ消えた気がした。








右手の指輪の光はもう失せたけど
聡くんの言葉だけは、
まだあたしのなかで鈍く光ってる。
あのときのあたしはまだ高校生だった。
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