くもりぞらにおほしさま

『保証人 櫻内直俊』

保護者欄、じやなくて保証人欄にお兄ちゃんの名前がある。
血は繋がってないけど、私にとっては大事な優しいお兄ちゃんだ。
もう21歳になるお兄ちゃんは今年で三年生。
だからわたしの保証人になってくれたの。

どうもなんかの資格試験合格を目指しているから、就活はしないみたい。


書類を整えながらぁたしは今日の入学式を思い出していた。


桜は当然とっくに散ってしまって、昨日降った雨のせいで足場は最悪。
体育館の途中、ぬかるみでローファーを汚したくなくて必死に歩いた私。
その隣を歩くお兄ちゃん。

大学の始業は私の入学式なんかよりずっと後らしくて、入学式にはスーツで来てくれた。
おじさん・おばさんばっかりの保護者のなかで、お兄ちゃんのスーツ姿はすごく目立つ。
背も高いし、体格もいいから、頭一つか二つ、出ちゃう感じ。笑

悔しいけど、ママに似ててきりっとした面立ちをしてる。



自然と、得意げに歩いちゃった自分を思い出して、なんだかくすぐったくなって笑っていたら、お風呂上がりのお兄ちゃんが話し掛けてきた。


明日から、東京の高校生だ!
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