心はcloudy sky



夜は更けて、もう10時。


「未紀ちゃん、品濃くん、帰ったほうが良いわよ?電車も無くなっちゃうし」


広也の母さんは心配そうに言った。

「今日だけ…一日だけ
広也の隣に居させてください…」

高添は消えるような声で言う。


「………分かったわ
でも無理はしないでね。広也が悲しむから…」


広也の母さんはそう言って、兄弟達にお風呂を
催促していた。



「「…………」」

式場には誰も居なかった。

親戚は居ないのかとふと思った。



「松宮家の方達は親戚からのけ者にされてるの」

俺の考えを悟ったように高添が喋った。



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