心はcloudy sky
「振り回すとか、気にすんなよ
俺が好きで言ってんだよ」
俺は、ポケットから
ハンカチを出して、高添の顔を拭いた。
涙と雨で濡れていたから。
「ずるいよ…そんなこと言ってさぁ…
なんで…品濃はそんなにうちに優しくしてくれるの…
品濃を傷付けたのは、
うちなのに」
高添は体を起こして、俺に向き合った。
そんな高添の顔は、凄く綺麗だった。
いつもは、可愛くて気丈な顔。
でも今は、すごく悲しげで、
まさに本当の高添の気持ちが表情に
あらわになっていた。
「……広也は、良いって言ってたの…?こんなこと」