風見鶏は一体何を見つめるか
「しっかしさァ、今日おかしくね?ショウ君
らしくもない」
購買の人気No.1の焼きそばパンをもしゃも
しゃと豪快にぱくつきながら飯島は言った。
何とも幸せそうな顔だ。
コイツには悩みなんてあるのだろうか。
「でもさ、ホントにボーッとしてたよね」と、
持参のお弁当をつつく西村さん。
「……そんなにボーッっとしてたかな」
「自覚ねぇの?」
――自覚がないわけじゃない。
僕は、一つため息をつくと、机の中にしま
った例の紙を机の上に置いた。
「進路の紙?」
二人は声をハモらせて、まじまじと僕の顔を
見た。
「これが、僕がボーッとしてた理由…かな」
「藤枝クンて、進学希望じゃないのッ!?」
「――えッ、あぁ。うん」YesともNoとも言え
ない曖昧な返事をする。
西村さんは、唖然とした様子で僕を見た。
飯島は相変わらず、しかしどこか納得した様
子で焼きそばパンをむさぼっていた。
「じゃあ、前は何て書いたの」
興味深々という感じで西村さんは聞いてくる。
飯島は「やめとけ」と一言言った。
が、好奇心というスイッチが入った西村さんに
は無意味な言葉だったようで、僕の返答を待っ
ている。
「就職希望」
らしくもない」
購買の人気No.1の焼きそばパンをもしゃも
しゃと豪快にぱくつきながら飯島は言った。
何とも幸せそうな顔だ。
コイツには悩みなんてあるのだろうか。
「でもさ、ホントにボーッとしてたよね」と、
持参のお弁当をつつく西村さん。
「……そんなにボーッっとしてたかな」
「自覚ねぇの?」
――自覚がないわけじゃない。
僕は、一つため息をつくと、机の中にしま
った例の紙を机の上に置いた。
「進路の紙?」
二人は声をハモらせて、まじまじと僕の顔を
見た。
「これが、僕がボーッとしてた理由…かな」
「藤枝クンて、進学希望じゃないのッ!?」
「――えッ、あぁ。うん」YesともNoとも言え
ない曖昧な返事をする。
西村さんは、唖然とした様子で僕を見た。
飯島は相変わらず、しかしどこか納得した様
子で焼きそばパンをむさぼっていた。
「じゃあ、前は何て書いたの」
興味深々という感じで西村さんは聞いてくる。
飯島は「やめとけ」と一言言った。
が、好奇心というスイッチが入った西村さんに
は無意味な言葉だったようで、僕の返答を待っ
ている。
「就職希望」