崩壊ハイティーン

奏多はニコリともしなかった



そのあと透と双子で遊んだけど、初めの印象通りずっと奏多は無愛想だった



無愛想どころか、気が強くわがままな性格で、幸多とは瓜二つこそすれ真逆の性格だった




透は幸多の弟が来るって聞いた時、幸多の弟なんだからいい子に決まってると無意識に決めつけていたんだ


だから己れの想像と現実のギャップに着いていけなくて、その日はどっと疲れてしまった



そして奏多が来月から同じ学校に通うと思うと、少し心配になってきた



きっと学校のあらゆる人が、幸多と奏多との違いに混乱するだろうなと予想した



でも透の予想はまたもや外れることとなった




新学期、幸多も透も4年2組になった



そして、2組に転校生が来るとどこからか噂が流れていた





その転校生は、紛れもなく奏多であることを2人は知っていた



新学期でクラスが変わったばかりな上に、転校生がくるということでクラスはざわついていた



やがてチャイムがなり、チャイムとは少し遅れて担任の教師がクラスに入ってくると、クラスの児童たちは慌てて自分の席に座った


そして少しばかり担任の教師は挨拶をした



担任の教師は40代の小太りの優しそうなおばさんであった



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