One side love
<Four>
◇◇◇◇◇
「水瀬さん、ちょっといいかな?」
中学生になったばかりのころ、あたしは名前も知らないような男子生徒に呼び出されていた。
放課後、部活が始まる前の時間。
……もじもじ、うじうじ……
いったい、いつになったら話しはじめるんだろう、この人は。
黙ったまま、もじもじする男子生徒に若干イライラしてくる。