One side love
俺は好きな女を自分自身で傷付けてきたのか…
最低だな。
俺は自嘲気味に笑った。
――…俺がゆうを好きだって気付いたのは、ゆうとした最後の練習試合だった。
その前から気になってはいたけど、あの時は本当にそれまで以上、ゆうが可愛く見えてしかたなかった。
少し紅く染まった頬
クリクリとした目
小さな唇
頭のてっぺんでおだんごにした長い髪
白く、柔らかそうな身体。
ゆうは俺らとは違う、女の子なんだと意識したときだった。
その試合はまともに集中できなくて…
好きだって気付いた瞬間に、俺はその好きなやつの前で醜態をさらした。
そんな自分がすげぇー格好悪くて、ゆうに笑われるのが嫌で、俺はアイツの前から逃げたんだ。