ラブソングをもう一度
しかし、和泉はそんなことお構い無しの様子で部屋に入っていく。
なんだか事務所のような、中学の時の校長室のような、病院内とは思えない部屋だった。
部屋の奧には、ソファーが置かれ、白衣を着た男が寝転んでいた。
どうやらレイは、居ないらしい、とわかった俺はどこか緊張がほぐれ、ほっとした。
「……兄貴」
寝転んでいる男に、和泉が話しかける。
…………兄貴?
状況が飲み込めずに、思わず和泉の顔を凝視する。