ラブソングをもう一度
- side REI
「腹、減ったな」
「そりゃ、そうだよ。ごはんも食べないで、あんなことするから」
「まだまだ、若いからな」
あなたの頬に、優しく、キスをして、起き上がる。
「キッチン、借りるね」
冷蔵庫を開けて、牛乳を取り出す。
マグカップに注ぎ、レンジにかける。
「ホットミルク?」
「うん。驚いた。冷蔵庫、空っぽだよ」
「男の、一人暮らしなんてそんなもんだ。コンビニ行ってくる」
クローゼットの扉を開けて、洋服を取り出すあなたを見つめる。
「なに?」
シャツに袖を通しながら、あなたが言う。
「ここに、居てもいい?」
「いいよ。好きなだけ、居ればいい」
少しも、考える素振りを見せずに言ったあなたに、喜びが込み上げる。
「ちょっと、待ってろ」
そう言って、財布とバイクのキーを持って、出掛けていくあなたを見送った。