ラブソングをもう一度
正直、あたしは家族に対するいい思い出がない。
パパは、あたしが小さい頃に病気で死んだ。
あまり、記憶がない。
ただ、アメリカ人の牧師さんだったそうで、あたしは小さい頃からよく、聖歌を口ずさんでいた。
お母さんは、パパが死んですぐに、夜の仕事を始めた。
生活も、見た目もどんどん派手になっていって、お姉ちゃんが高校を卒業した年、ついに蒸発した。
7つ上のお姉ちゃんは、いつからか、お母さんにそっくりになった。
だけど、お姉ちゃんには感謝している。
お母さんが出ていった後も、高校卒業したてのお姉ちゃんがあたしを面倒見て、ここまで育ててくれたから。