ラブソングをもう一度
その笑顔があまりにも綺麗で、どきっとした。
何かが、音を立てて、崩れていくような気がした。
笑うと、少し幼いな。
いや、あれが本来、年相応なのかもしれない。
その日の夜は、何度体を重ね合わせても、足りなかった。
できるだけ、もっと、近くに。
レイの傍に近付きたい、と思った。
俺は、及川海、という俺の全てで彼女を抱いた。
いつの間にか、レイの身体には、たくさんの紅い印が付き、
疲れ果て、意識すら危ういレイは、うわ言のように、何度も、俺の名前を呼んだ。
それが嬉しくて、俺は反応し、また夢中になってゆく。
甘く、激しい行為の後、俺達にはもう、微塵の力も残っていなかった。
「今日は何か違うね」
彼女は時々、俺よりもひどく冷静で、俺よりもずっと年上に見えた。
俺は確実に、レイという正体不明な少女に、溺れはじめていた。