ラブソングをもう一度



そして時々、彼女の持つその雰囲気に、この世の生き物ではない気さえしてくるのだ。


細くて華奢な体に、白い肌。

小さな顔に、零れ落ちそうなほどの大きな目。

高い鼻に、薄い唇。

まるで人形のようなその出で立ちが、余計にそれを思わせる。


「あたし、ハーフなのよ」

いつか、レイはそう言っていた。

例のごとく、嘘か本当かわからない、饒舌な台詞で、彼女は俺を惑わせる。




堕ちてゆく。

はまってゆく。

抜け出せなくなってゆく……



< 53 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop