ラブソングをもう一度
「レイは、それでいいの?」
どうやら、この男にはあたしの考えていることが、わかるらしい。
「歌ってくといいよ」
店を開ける時間だ、と呟きながら、テーブルの上に置かれたキーケースを、ちらつかせて、不敵な笑みを浮かべるこの男こそ、あたしに、歌うことを勧めた人物。
ずっと側に居て、どん底に居たあたしを、闇の中から救ってくれた人。
だから、あたしはこの男を信頼し、こうしてすがってしまうのだ。
「今日は、あんたがギターを弾いてよ」
「仰せの、ままに」