ラブソングをもう一度
あたしの、片想い。
あの時から、ずっと。
今までずっと、誰にも言わなかったあたしの気持ちを、和泉に全て、話そうと思った。
「あたしね…………」
「…………レイ?」
後ろから声を掛けられる。
優しい声で、呼び止められて、思わず驚いた。
「海…………」
振り向くと愛する人の姿があった。
明らかに動揺した、海の姿。
その顔を見て、ほんの少し嬉しいと思ってしまった自分がひどく滑稽だった。
和泉は、その一瞬で、全てを察したのだろう。
「じゃあ、俺は、ここで。レイ、また来週」
そう言って、くるり、と体の向きを変えて、もと来た道を歩いて言った。