ラブソングをもう一度
懐かしいことを思い出したな。
ふと思い立って、バイト帰りにあの大通りを歩いてみた。
そして、発見してしまった。
立ち止まっていた、俺の人生を動かしてくれた、謎の美少女、レイと、その横に居たのは、知らない男。
わかりやすく、美男美女な二人だと思った。
レイは、信頼しきった顔で男を見つめ、男もまた、愛しい人を見る目で、彼女を見つめていた。
嫉妬も、苛立ちも感じる前に、俺は彼女に声をかけていた。
「また、来週」
なんて、わかりやすく俺に挑発する男の顔は、よく見ることができなかった。