五つ葉のクローバー
電車を降り、ホームを見渡すと
いつもより静かに学生達が
歩いて行くのが分かる。
いつも騒がしい女の子達
いつも欠伸してる男子高校生
そんな人達でさえ、きりっとした表情で
学校へ向かう。
そんな中、私はいつも通り平然と学校へ向かった。
「はるっ!」
そんな中、私の名前を明るく呼ぶ声が聞こえた。
「きょん、おはよー」
眠さの抜けない私は
声の主にふにゃふにゃと笑った。
「相変わらず、眠そうだねぇ、」
「ははは…」
呆れる私の友達、京子に苦笑を浮かべる。
「黒河ー」
次は私の苗字を呼ぶ低い声。
「おはよう、岡本」
再度ふにゃふにゃと笑いながら
声の主に挨拶した。
「黒河、起きたら?」
「起きてますけどっ!」
私が睨みつけると岡本は“ははっ”と笑った。