君に嘘を捧げよう
それ以外は特に何も変わったことはなかった。
ただ、課題がちょっと終わっただけ。
アヤネん家から帰って、夕飯食べて、風呂入って。
それから寝る前、ちょっと考えてみた。
「アヤネって、今幸せなんかな…?」
『タクト』といたころと、俺といるときと。
アヤネは、どっちが楽しいんだろう…?
意識が消えるまで考えた。
だけど、答えはでなかった。
「ちょっとタクト!いつまで寝てるの!」
「なんだよ母さん、別に休みなんだし…」
「そんなこと言ってないでほら、さっさと起きなさい!もう10時だよ?」
「…マヂで?」
休みだとついつい怠けてしまうという習性が俺にはある。
「ま、誰にでもあるんじゃないかな?」
「何がよ」
「まじめな母さんには無縁の話」