君に嘘を捧げよう
「でも掃除はしようね?」
「…ハイ…」
その日はみっちり俺の部屋の掃除をした。ていうか、させられた。
気がついたら、外は真っ暗だった。
「わ、もう暗くなってる。わたし帰るね」
「送ってくよ」
「ありがと」
まだ誰も帰ってきてない。よかった…。
そのままアヤネを近くまで送ってから家に戻った。
「ちょっとタクト、留守番してろっていったでしょ!?どこ行ってたの?」
「あ…ちょっとそこまで」
運悪く外に出てる間に母さんが帰ってきていた。
それから夏休みは時間の許す限りアヤネと俺の家を行ったり来たり。
好きな女の子と一緒にいれるって幸せ。
「くそ、うらやましいわタクト」
「でしょ?カイは紫苑さんどうなの?」
「…全然振り向いてくれへん…」
「あ、ノータッチの話題でしたか…」