さくら、ひらひら。
「…いつ振りだろうな。二人っきりなんて」
ふいに、大がつぶやいた。
「…いつも4人だったもんね。」
「過去形…ね。弥生は、そう思ってる?」
「そ、そういうつもりじゃっ…!」
少し、鋭くなった大の声色にあたしはしまった、と思い
あわてて弁解する。
「はは、怒ってないって。
あ、そろそろお前のお母さん帰ってくるんじゃね?」
「え?」
窓の外を見ると、空は少しづつ群青色に染まっていた。
「…ホントだ。ね、大。…一日一緒にいてくれて、
ありがとう。嬉しかった」
大は、「俺も、楽しかった。また、遊ぼうな?」
とにこりと微笑むと、
急に真面目な顔になって、こういった。
「こういうの…って、言っていいのかどうか
わかんないんだけど…」
そこで、意を決したようにふぅと深呼吸した。