さくら、ひらひら。




「…ちょ、弥生!?」


聖治があたしを止めている気がした。

でも、そんな言葉を聞く余裕はあたしに無かった。





どうして逃げたのか、

わからなかったけれど、


気が付くと、自分の分のお金を払って

喫茶店から逃げ出していた。







「…弥生、さ。変わった…よね」


「ちょっと…暗くなった…のかな」


「…俺も、帰る」


「聖治も帰るの?」


「…弥生、ほっとけないだろ?」


「……また…弥生のこと気にするんだ?


うちと付き合ってる時もそうだったよね?」


「優依!やめろって…!」





今にも聖治に掴み掛りそうな優依を止めて、


大はふぅ、と聖治を見送った。







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