さくら、ひらひら。




お願いだから。

大げさだけれど、

早く見つかってくれ。




祈るような気持ちでケータイを開く。


『新着メール:1』



「弥生っ…!」



『今日は、いきなり帰ってごめん。

ココア、おいしかったよ、ありがとう

じゃあまた、今度ね』



胸が締め付けられる…って

こういうことを言うんだろうか。



連絡を取らなかったのは、3週間ぐらいなのに、

もう何年もメールがなかったみたいだ。





今から、会えない?って


送りたかった。




本文を作るところまでできたのに、

送信ボタンがどうしても押せなかった。





やっぱり、俺はどうしようもない奴だ。





聖治side おわり


< 134 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop