さくら、ひらひら。
第13章 あたしの気持ち。
「本当はね、もっと早く言おうと思っていたの。
でも、受験前にそんな話を聞かせたらいけないかと思ってね…?」
「…弥生ちゃん、改めて。
僕は飯島信行(のぶゆき)といいます。」
「じゃあ、あたしの苗字は…?」
「飯島、に決まってるでしょう。
来学期から新しい苗字にしてもらうから大丈夫よ」
何がどう大丈夫なのだろう。
「あたしの平田って苗字は?
なくなっちゃうの?
なかったことになるの?
あたしは飯島弥生になるの?
今までの平田弥生はどこに行っちゃうの!?」
「…弥生!落ち着きなさい…!」
「落ち着くのは、お母さんでしょ!
高校受験とこの話題、どっちが大切だと思ってんのよ!?」
もう、止まることなく今まで抑えていた
イライラを放出していた。