さくら、ひらひら。
あたしはそれにも無言で、
ごくごく、とジュースを一気に飲み干すと
鞄と用意されていたお弁当をもって、振り返らず玄関に向かった。
後ろから「いってらっしゃーい」という声が聞こえたけれど、
聞こえないふりをしてあたしは外へ出た。
沙耶…沙耶に聞いてもらおう。
そう思って、あたしは学校へ足を速めた。
「おはよー」
「あ、おはよ」
挨拶してくれるクラスメートに適当に返事をして
あたしはまっすぐ席に着く。