さくら、ひらひら。
「弥生ちゃん」
「ほらこれ、可愛いでしょ?あげる」
その日から信行さんはあたしに
話しかけることが多くなった。
ストラップを買ってきてくれたり。
それは淡いピンク―――桜色で、あたしの好みで。
「どうしてわかったの?」と聞くと、
「弥生ちゃん、よくピンクのもの持ってるから。」
あたしのことちゃんと見てくれてるのかな?
『家族』になれるのかな?
「ケータイの、その鈴…可愛いね?」
「…っ!」