さくら、ひらひら。
ずっと…ずっとずっと話したかったのに
いざ話をするとうまくしゃべれない。
「弥生?どうした?」
「…ううん、嬉しくて」
「…何かあったんだろ?話聞く」
「…うん」
あたしはゆっくり、ゆっくりだけれど
今までのこと話し始めた。
そのたびに聖治は「うん」「それで?」って
相槌を打ってくれた。
それだけで
生きていけそうな気がした。
全部話し終わったころには、
もう夜遅くだったけれど
それでも全部聞いてくれる人がいるっていうのは
すごく心強かった。